自宅で参加できる読書会
NO. 00009355 DATE 2024 11 23

ティファニーで朝食を の読書会ページ

ティファニーで朝食を(9784102095089)

楽天へのリンク

ティファニーで朝食を

著者:トルーマン・カポーティ/村上 春樹

出版社:新潮社 (2008年12月)

ISBN-10:410209508X

ISBN-13:9784102095089

意見、感想、コメントなど

気になるフレーズの投稿一覧

気になるフレーズを書き込む

P.29 の気になるフレーズ

ぼくは映画を見てから家に帰り、バーボンのナイトキャップを手にベッドに入り、シムノンの最新刊を開いた。これ以上はくつろげないというくらいくつろいだ気分になっていたので、胸の中で不穏な気持ちが広がっていくことに、長いあいだ気がつかなかった。心臓がどきどき音を立て始めて、やっとそれに思い当たった。そういう胸騒ぎについて僕は本で読んだこともあったし、文章に書いたこともあったのだが、実際に体験するのは初めてのことだ。それは自分が見られているという気配だった。部屋の中に誰かがいるという気配だった。そのとき突然、窓をこんこんと叩く音がした。幽霊のような灰色の影がちらりと見えた。

総コメント数:1 投稿日時:2019-10-09 05:55:15

P.50 の気になるフレーズ

あたしは好きだよ。とことん好きだ。あたしはセンシティブだし、そいつが理由だよ。感受性のある人間じゃなきゃ、あの子の良さは分からんのさ。詩人の素質がなきゃな。でもな、いいことを教えてあげよう。あんたは脳みそをぎゅうぎゅうしぼり、彼女のためを思ってさんざん尽くしてやる。ところがその見返りに受け取るのは、皿に山盛りの馬糞だ。

総コメント数:1 投稿日時:2019-10-13 05:33:03

P.63 の気になるフレーズ

リッチな有名人になりたくないってわけじゃないんだよ。私としてもいちおうそのへんを目指しているし、いつかそれにもとりかかるつもりでいる。でももしそうなっても、私はなおかつ自分のエゴをしっかり引き連れていたいわけ。いつの日か目覚めて、ティファニーで朝ごはんを食べるときにも、この自分のままでいたいの。

総コメント数:1 投稿日時:2019-10-13 05:39:39

P.72 の気になるフレーズ

そのどもりでさえ――生来のものには違いなかろうが、誇張のあとがうかがえる――彼女の武器となった。このどもり方こそが決め手だった。まず第一にそれは、月並みな言葉を個性的に響かせた。第二に、長身と押し出しの強さにもかかわらず、そのどもる声を聞いている男性たちに「この女性を保護してやらねば」という思いを抱かせた。

総コメント数:1 投稿日時:2019-10-13 05:47:59

P.83 の気になるフレーズ

ある大学出版局が出している小さな文芸誌からの手紙だった。僕はその雑誌に短編小説をひとつ送ったのだが、彼らはそれを気に入ったということだった。遺憾ながら原稿料は支払えないが、雑誌には掲載されることになると書いてあった。雑誌にけいされされるというのは、つまり活字になることだ。興奮のあまり、頭が文字通りくらくらした。

総コメント数:1 投稿日時:2019-10-13 05:53:51

P.195 の気になるフレーズ

ロワイヤルは泣き屋たちをかり集めた。彼らは麓の村から、近隣の山地からやってきて、夜更けの犬みたいに痛ましい叫びをあげながら、家を取り囲んだ。老女たちは壁に頭をどすんどすんと打ち付け、男たちは地面にひれ伏して嗚咽した。それは哀しみを表現する芸術であり、悲嘆をもっとも巧妙に演技できるものが高く評価された。葬儀が終わると、みんなは仕事の出来に満足して帰って行った。

総コメント数:1 投稿日時:2019-10-14 05:54:36

P.221 の気になるフレーズ

「これは俺の櫛だ。そう言ってくれよ!」とティコ・フェオはミスタ・シェーファーに迫った。しかしミスタ・シェーファーは断固とした静かな声で、いや、それはお前の櫛じゃないと言った。その一言でみんなは拍子抜けしてしまったみたいだった。「もういい」とウィンクは言った。「そこまで櫛がほしいのなら、いいさ、お前にくれてやるよ」。少しあとで、わけがわからないという顔で、おずおずとティコ・フェオが言った。「あんたは俺の友だちだと思っていたんだけどな」。「友だちだよ」とミスタ・シェーファーは心に思ったが、あえて口には出さなかった。

総コメント数:1 投稿日時:2019-10-15 05:39:57

P.236 の気になるフレーズ

僕は七歳で、彼女は六十を越している。僕らはいとこ同士。すごく遠縁のいとこなのだが、僕らはそれこそ思い出せないくらい昔から一緒に暮らしている。(中略)僕らは無二の親友なのだ。

総コメント数:1 投稿日時:2019-10-15 05:50:21

P.265 の気になるフレーズ

映画は原作とはけっこう違った話にはなっているものの、なかなか小粋なラブ・コメディーに仕上がっていて、商業的にも圧倒的な成功を収めた。

総コメント数:1 投稿日時:2019-10-15 05:58:56