P.35の問題番号「11」
に対する解答
半径1、中心角2θの扇形の重心の位置は?
p.36とは別の解法)
この扇形を「頂角2θの二等辺三角形の部分」と「扇形から二等辺三角形を引いた部分」
に分けて考える。
このとき、扇形の重心を計算する式の分母は、
x・2x tan(θ) をxについて0からcos(θ)まで積分したもの(二等辺三角形部分)と、
x・2√(1-x^2) をxについてcos(θ)から1まで積分したもの(残り部分)の和となり、
計算すると、
2sin(θ)/3
となる。一方、中心角2θの扇形の面積はθとなるので、扇形の重心位置は
2sin(θ)/(3θ)
となる。
なお、p.36の解説で、
『極微の世界では扇形の面積は三角形と同じで、
中心角Δθの扇形の重心は原点から2/3のところにある(27ページ例題1を参照)。』
とある。間違ってないが、27ページの例題1は、直角二等辺三角形の例であり、
頂角Δθの二等辺三角形の重心ではないことに注意。
厳密には、頂角Δθの二等辺三角形の重心は、
2cos(Δθ/2)/3
となり、Δθが十分小さいとすると、近似的に
2/3
が得られる。
投稿者:goodbook
投稿日時:2016-06-15 06:26:22
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P.39の問題番号「13」
に対する解答
半径1の半球殻の重心の位置は?
に対するp.40とは別の解法(極座標表示を使う)
この半球殻を北半球(殻)として、
球の中心と北極を結ぶ線がz軸となるように、3次元座標を設定する。
このとき、この半球殻の重心はz軸上にあり、重心を求める式は、
重心 = ∫z dx dy dz / (2π)
を半球殻上で積分したものとなる。
3次元空間の点(x,y,z)は、極座標表示すると、
x = r sin(θ) cos(φ)
y = r sin(θ) sin(φ)
z = r cos(θ)
と表わすことができる。ここで、
rは中心からの距離、
θはz軸との成す角(0≦θ≦π)、
φはxy平面上でのx軸との成す角(0≦φ≦2π)
である。
また、dx dy dzを極座標で表わすと、
dx dy dz = r^2 sin(θ) dr dθ dφ
となる。したがって、重心を極座標表示すると、
半球殻の半径は1であることを考慮して
重心 = ∫cos(θ)sin(θ)dθdφ / (2π)
となる。ここで、積分範囲は0≦θ≦π/2、0≦φ≦2π。
cos^2(θ)の微分が-2cos(θ)sin(θ)となることを考慮すると、
重心 = 1/2
が求まる。
投稿者:goodbook
投稿日時:2016-06-16 06:25:49
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P.46の問題番号「16」
に対する解答
解答に対する補足
sin(54°) = (1 + √5)/4
がいきなり出てきたので、補足メモ。
1つの角が54°の直角三角形を考える。
この直角三角形のもう一つの角は36°。
そこで、θ=18°とすると、
54°= 3θ
36°= 2θ
と書くことができる。これを使うと直角三角形から、
sin(3θ) = cos(2θ) …①
cos(3θ) = sin(2θ) …②
という関係式が得られる。まず②式から、
sin(θ)= (-1 + √5)/4
が得られる。これを①式の右辺に代入すると、
sin(54°) = sin(3θ) = 1 - 2 sin^2(θ) = (1 + √5)/4
が得られる。
投稿者:goodbook
投稿日時:2016-06-17 06:29:13
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P.49の問題番号「18」
に対する解答
p.50の解答で、下記の公式が使われていたのでメモ。
任意の三角形ABCに対して
BC^2 = AB^2 + AC^2 + 2・AB・AC cos(A)
が成り立つ。
証明)点Cから辺ABに対して下ろした垂線が交わる点をDとする。
このとき、直角三角形BCDから三平方の定理より、
BC^2 = BD^2 + CD^2 …①
が得られる。一方、直角三角形ACDから
AD = AC cos(A) …②
CD = AC sin(A) …③
が得られるので、
BD = AB - AD
であることを考慮して、①式に②③式を代入すると、
BC^2 = (AB - AC cos(A))^2 + (AC sin(A))^2
となり、sin^2(A) + cos^2(A) = 1であるので、結局
BC^2 = AB^2 + AC^2 + 2・AB・AC cos(A)
となる。
投稿者:goodbook
投稿日時:2016-06-18 05:51:00
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P.71の問題番号「27」
に対する解答
1+(1+2)+(1+2+3)+…+(1+2+…+n)
=1^2 + 3^2 +…+ n^2 (nが奇数)
=2^2 + 4^2 +…+ n^2 (nが偶数)
p.72とは別の証明)
1+2+…+n = n(n+1)/2
を利用すると、
1+(1+2)+(1+2+3)+…+(1+2+…+n)
= Σ_{k=1}^{n} k(k+1)/2 ・・・①
と書くことができる。ここで、
Σ_{k=1}^{n} はkについて1からnまでの和を表わす。
nが偶数の場合
n = 2m とおいて、①の右辺を奇数和と偶数和に分けて計算すると、
① = Σ_{k=1}^{m} 2k(2k+1)/2 + Σ_{k=1}^{m} (2k-1)(2k)/2
= Σ_{k=1}^{m} (2k^2 + k) + Σ_{k=1}^{m} (2k^2 - k)
= Σ_{k=1}^{m} (2k)^2
= 2^2 + 4^2 +…+ n^2
が得られる。
nが奇数の場合
n = 2m+1 とおいて、①の右辺を奇数和と偶数和に分けて計算すると、
① = Σ_{k=1}^{m} 2k(2k+1)/2 + Σ_{k=1}^{m+1} (2k-1)(2k)/2
= Σ_{k=1}^{m} {(2k-1)+1}{(2k-1)+2}/2 + Σ_{k=1}^{m} (2k-1){(2k-1)+1}/2
+ (m+1)(2m+1)
= Σ_{k=1}^{m} (2k-1)^2 + Σ_{k=1}^{m} (4k-1) + (m+1)(2m+1)
= Σ_{k=1}^{m} (2k-1)^2 + (2m+1)^2
= Σ_{k=1}^{m+1} (2k-1)^2
= 1^2 + 3^2 +…+ n^2
が得られる。
投稿者:goodbook
投稿日時:2016-06-29 05:22:05
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P.77の問題番号「30」
に対する解答
フィボナッチ数列の一般項についての(p.78とは別の)導出は、
http://www.rethac.com/book_info.php?isbn=9784569823560&SearchIndex=Books&tab=answer&id=18&mode=detail
に書いていました。
投稿者:goodbook
投稿日時:2016-07-01 04:36:24
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P.81の問題番号「32」
に対する解答
補足)3次方程式なので、複素数解は3つ。
3次方程式 x^3 = m x + n の実数解を
x = P + Q (ここで、P>Q)
とおく。このとき、p.82の解法から、Pは
(∛p)^3 = P^3
の解である。したがって、この∛pについての3次方程式の複素数解は
∛p = P, Pω, P/ω (ここでω=e^{2πi/3})
の3つとなる。一方、∛qは
3∛p∛q = m
を満たすことを考慮すると、上記∛pの解の順序に対応して、
∛q = Q, Q/ω, Qω
となる。したがって、3次方程式 x^3 = m x + n の複素数解は
x = P + Q, Pω + Q/ω, P/ω + Qω
の3つとなる。
投稿者:goodbook
投稿日時:2016-07-06 04:31:00
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P.87の問題番号「35」
に対する解答
1/(1-x) = 1 + x + x^2 + x^3 + x^4 + x^5 … [注:割り算をすれば導けます]
と書いてあったので、一応導出。
左辺の分子の「1」に対して
1 = 1 - x + x
= 1 - x + x - x^2 + x^2
= 1 - x + x - x^2 + x^2 - x^3 + x^3
= 1 - x + x - x^2 + x^2 - x^3 + x^3 - x^4 + x^4
のように順々にxのべき乗項を足し引きしていく。その上で、
第1項と第2項、第3項と第4項、のように組み合わせていくと
1 = (1 - x) + (1 - x) x + (1 - x) x^2 + (1 - x) x^3 + …
= (1 - x)(1 + x + x^2 + x^3 + … )
となるので、この式の両辺を 1-x で割ると、
1/(1-x) = 1 + x + x^2 + x^3 + x^4 + x^5 …
が導ける。
投稿者:goodbook
投稿日時:2016-07-08 05:34:36
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P.95の問題番号「39」
に対する解答
p.96の解答は正しい?
問題
dの間隔で等間隔に引かれた平行線で覆われている水平面上に、
長さr(≦d)の針を1本落としたとき、その針が平面上の線と交わる確率。
解説
今、xy平面を考え、x = …,-d, 0, d, …の位置に
y軸と平行な線が引かれているとする。
この平面上に、長さr(≦d)の針を落としたとき、
針の両端点A,Bが次のようになる場合を考える。
Aの座標を(a,0)とする。ここで0≦a≦dとする。
(つまり、端点Aはx軸上の0からdの範囲を動く。)
Bの座標を(x,y)とする。ここでx≧a, y≧0とする。
針をどのように落としても、
座標変換を行うことで常にこの状態に変換することができる。
この状態での端点Bの軌跡を考えると、
端点Bは次の2つの領域に現れる。
領域α:長方形領域(0≦x≦d,0≦y≦r)から
中心を原点(0,0),半径をr,頂角を0≦θ≦π/2とした扇形領域
を除いた領域
(ここで、θはx軸正の向きからのなす角)
領域β:中心を原点(d,0),半径をr,頂角を0≦θ≦π/2とした扇形領域
したがって、問題の「針が平行線に交わる」という状況は、
この場合、端点Bが領域βに現れるときのことになるので、
針が平行線に交わる確率は、
領域βの面積/(領域αの面積+領域βの面積)
で表されるはず。
領域βの面積 = πr^2 / 4
領域αの面積+領域βの面積 = d r
となるので、結局、針が平行線に交わる確率は、
πr/4d
となる。
※p.96の解答では、この確率は2r/πdとなっており、
上記の答えと異なっていますが、どこが間違っているのでしょうか。
投稿者:goodbook
投稿日時:2016-07-13 04:59:02
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P.103の問題番号「43」
に対する解答
x^3 + y^3 = axy (a > 0)の第一象限にできる図形の面積。
この問題の別解答のポイントだけ。(p.104の解答の方がシンプル)
座標変換
x = (x - y)/√2
y = (x + y)/√2
を上記の式に代入して、整理すると、
y^2 = (-√2 x^3 + a x^2)/(3√2 x + a )
と変形できる。このとき、図形はx軸について対称となることを考慮すると、
面積S = 2∫√{(-√2 x^3 + a x^2)/(3√2 x + a )} dx
で計算できる。ここでxの積分範囲は0からa/√2まで。
あとは、変数変換
3√2 x + a = 4 sin^2(θ) (π/6 ≦ θ ≦ π/2)
を行うと、比較的簡単に計算できる。
投稿者:goodbook
投稿日時:2016-07-14 06:28:55
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