ゴドーを待ちながら の読書会ページ
ゴドーを待ちながら 著者:Beckett,Samuel,1906-1989 安堂,信也,1927-2000 高橋,康也,1932-2002 出版社:白水社 (201306) ISBN-10:4560071837 ISBN-13:9784560071830
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意見、感想、コメントなど
気になるフレーズの投稿一覧
P.200 の気になるフレーズ 英語のGodにフランス語の相性的縮小辞-otをつけたもの(つまりチャップリンがフランスでCharlotと呼ばれるように〈神〉を喜劇的にもどくとGodotになる)という解釈がやはり有力であろう。ただしGodeauは実在するフランス語名前であり、当時有名だった競輪選手、あるいはバルザックの作中人物などを出典の擬する論者もいる。ついでに、ベケットの乗った飛行機が離陸するとき「本便のパイロットはゴドーでございます……」というアナウンスがあって『ゴドー』の作者は青ざめて席を去ろうとした、という挿話がある。 総コメント数:2 投稿日時:2019-08-03 12:59:13 |
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P.220 の気になるフレーズ 急いで断っておくが、議論や解釈がむだだというのではない。無数の解釈が生まれ、すれちがい、ゆらめき、消尽されていく、その過程がまさにこの作品を観たり読んだりする経験の実体にちがいないのだ。だから、解釈はたぶん多いほどいい。それだけ、すれちがいのエネルギー、ゆらめきのゲーム、消尽のスリルが大きくなる理窟だから。 総コメント数:2 投稿日時:2019-08-03 15:52:38 |
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P.222 の気になるフレーズ ベケットはアウグスティヌスの著作のどこかで(注釈略)、「慢心するなかれ、泥棒の一人は地獄に堕ちた。絶望するなかれ、泥棒の一人は救われた」という文に出会って、いたく感銘を受けた。その余韻がここにこういう形で現れたのだが、この言葉についてのベケットのコメントは単に「この文章は美しい形をもっている」ということだけである。 総コメント数:1 投稿日時:2019-08-03 16:12:56 |