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やんごとなき読者 の読書会ページ

やんごとなき読者(9784560092255)

やんごとなき読者

著者:Bennett,Alan,1934- 市川,恵里,1966-

出版社:白水社 (200903)

ISBN-10:4560092257

ISBN-13:9784560092255

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気になるフレーズの投稿一覧

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P.29 の気になるフレーズ

「もちろんよ。でも人から説明を受けるのは自分で読むのとは違うわ。むしろ正反対ね。説明では要点となる事実を簡潔に述べるだけ。読書はとりとめがなくて、あちこちに話が飛んで、たえず人の心をそそる。説明が主題をしめくくるものだとすれば、読書は開くものなのよ」

総コメント数:1 投稿日時:2019-08-25 04:59:42

P.54 の気になるフレーズ

「何を読んでいるかって、どういう質問だろう。たいていの人は何も読んでないよな。でもそう言おうものなら、陛下はハンドバッグのなかを探して、読み終わったばかりの本を出してプレゼントしてしまうんだ」
「即座にイーベイで売るな」

総コメント数:1 投稿日時:2019-08-25 05:17:17

P.61 の気になるフレーズ

最初は確かにおずおずと、ためらいがちに読んでいた。膨大な数の本を前にして立ちすくみ、どうやって進めばいいのかさっぱりわからなかった。一冊の本が次の本につながっていくような一貫した読書方針もなく、よく二、三冊を並行して読んでいた。次の段階になると、読みながらメモをとるようになり、それ以降はつねに鉛筆片手に読書をした。メモといっても読んだ内容を要約するのではなく、印象に残った一節をただ書き写すだけだった。メモをとりながらの読書を一年かそこら続けてからようやく、時おりためらいがちに自分の考えを書きとめるようになった。

総コメント数:1 投稿日時:2019-08-25 05:26:24

P.64 の気になるフレーズ

「ヘンリー・ジェイムズを叱りつけてやりたいと思うのは私だけだろうか?」と女王は書いた。
「ジョンソン博士が評価されている理由はよくわかるが、どう見ても、ほとんどは独善的なたわごとでは?」
ある日、お茶の時間にヘンリー・ジェイムズを読んでいたとき、女王は声に出して言ってしまった。「もう、さっさと先に行きなさいよ」

総コメント数:1 投稿日時:2019-08-25 05:36:51

P.68 の気になるフレーズ

作家とは小説のページの中で会うのが一番であり、作中人物と同じくらい読者の想像の産物なのだということを間もなく女王は悟った。

総コメント数:1 投稿日時:2019-08-25 05:43:29

P.93 の気になるフレーズ

「幸福の秘訣は自分には資格があるという意識をいっさいもたないことである」

総コメント数:1 投稿日時:2019-08-25 05:47:49

P.96 の気になるフレーズ

ジェイン・オースティンを読むうえで女王に特有のハンディキャップもあった。ジェイン・オースティンの真髄は微細な社会的区別の描写にあるが、女王はその特異な立場ゆえにその区別がうまく把握できなかったのである。

総コメント数:1 投稿日時:2019-08-25 05:53:51

P.128 の気になるフレーズ

眠れるどころではなかった。かつては退屈に思えた小説が、いま読むと小気味いいほどきびきびしているように感じられた。(中略)読書にも一種の筋力が必要であり、その力がいつの間にかついていたのだろうと女王は思った(翌日、ノートに書きとめた)。

総コメント数:3 投稿日時:2019-08-25 06:03:08

P.131 の気になるフレーズ

だが、何かを書きとめると、ノートに一言書きこむだけでも、かつて読書をしたあとに感じたような満足をおぼえるのに気づいた。そして、自分はただの読者ではいたくないのだとあらためて思った。読者は観客に近いが、何かを書くのは行動であり、行動こそが彼女の努めだった。

総コメント数:1 投稿日時:2019-08-25 06:08:51

P.146 の気になるフレーズ

「内務大臣、それは違います。ご存じのように、本というものが行動のきっかけになることはめったにありません。たいていは、ひょっとすると自分でも気づかないうちにしていた決意に裏づけを与えるだけなのです。本に向かうのは自分の確信を裏づけるためです。本はいわばけりをつけてくれるのです」

総コメント数:1 投稿日時:2019-08-25 06:14:00