書く、読む、生きる の読書会ページ
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書く、読む、生きる 著者:古井 由吉 出版社:草思社 (2020年11月26日頃) ISBN-10:4794224796 ISBN-13:9784794224798
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意見、感想、コメントなど
気になるフレーズの投稿一覧
P.116 の気になるフレーズ 本を読むときに、その主意や、「これは何を追求しているか」なんていうことを考えるのも大事ですが、読書の効能はそれだけじゃあないんです。もちろん、本を読む目的はそれでいいかもしれないけど、まずは、いろいろな時代のいろいろな人の口調に触れることが大事です。 総コメント数:1 投稿日時:2021-02-15 05:49:57 |
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P.122 の気になるフレーズ 小説というのは本来は時間を安らかに流して、その中の人間の姿を描いていくものだと私は思ってます。 総コメント数:1 投稿日時:2021-02-22 05:26:49 |
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P.135 の気になるフレーズ 明治時代はもっとも離婚率が高かったと言われています。ひとつには社会が大変動したということもありますが、「壬申戸籍」といって明治の初め頃、戸籍がしっかり整えられました。戸籍が整えられたばかりに離婚が増える、というのはお分かりでしょうか。昔はお嫁に来ても働きが悪いとか病弱だというと、数ヵ月とか半年とか一年で返される。これは戸籍が整っていると、「離婚」ということになります。 総コメント数:1 投稿日時:2021-02-26 06:22:55 |
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P.189 の気になるフレーズ しかしその出会いのあとでは、また忘れるものなら、忘れるままにまかす、というほどの度量をもっていたほうがよろしい、と私は考える者だ。いったん得た知識をすこしの間も忘れまいとするのは、直接の必要に迫られているならいざ知らず、燻製や干物やカンヅメにして保存するようで、私は好きではない。それでは、知識は育たない。知識はふたたび忘失の海へ放流して回游させるにかぎる。手もとに引き寄せたくなったら、海へ舟を漕ぎ出して、網を打てばよいのだ。縁があるものなら、むこうから網にかかってくる。さしあたり縁がないようなら、またの機会を待つよりほかにない。 総コメント数:1 投稿日時:2021-03-21 16:47:36 |
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P.261 の気になるフレーズ 終日、雨のくりかえし寄せる方角へ向かって、川がひたすら流れて行く、雨脚の中へ雨脚の中へとひたむきに水を送りこむ、とそんなふうに見える日々がある。 総コメント数:1 投稿日時:2021-04-21 05:27:58 |
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P.266 の気になるフレーズ 二歩ほどで渡りきれそうな橋なのだ。通る人はほとんど橋とも気がつかない。しかし橋の上から左右を見れば、小路の西側の家並みの裏手に沿って来る用水が石垣にあたって直角にこちらへ折れ、家と家の間を割って流れて橋の下をくぐり、また家の間を分けてまもなく水門へ、浅野川へ落ちるのが見えるだろう。今は同じ情景ではないかもしれない。 総コメント数:1 投稿日時:2021-04-22 06:26:46 |
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P.272 の気になるフレーズ 西の回廊の外を北へたどると、やがて左手に戒壇院の建物がみえてきて、いま通り過ぎたら、もう来られないのではないか、とわびしいような心になりかけた時、院内では四〇歳の自分が壇上を去りかねて、広目天と顔をまだ突き合せているような、奇っ怪な想像が湧いた。 総コメント数:1 投稿日時:2021-04-26 05:46:01 |
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P.296 の気になるフレーズ
十一月二十二日(水)曇り 総コメント数:1 投稿日時:2021-05-04 06:58:24 |