ナボコフ短篇全集 の読書会ページ
ナボコフ短篇全集 著者:ウラジーミル・ナボコフ/著 諫早勇一/著 出版社:作品社 (20001201) ISBN-10:4878933674 ISBN-13:9784878933677
|
意見、感想、コメントなど
気になるフレーズの投稿一覧
P.112 の気になるフレーズ 学生は椅子の傍に立ててある二つのスーツケースに目を走らせた。一つは古くて貫禄があり、鳥が記念碑に落とした糞のしみのように、昔貼られたシールの痕が白く残っていた。 総コメント数:1 投稿日時:2019-04-12 10:23:17 |
|
P.112 の気になるフレーズ 学生は椅子の傍に立ててある二つのスーツケースに目を走らせた。一つは古くて貫禄があり、鳥が記念碑に落とした糞のしみのように、昔貼られたシールの痕が白く残っていた。 総コメント数:2 投稿日時:2019-04-12 10:24:00 |
|
P.113 の気になるフレーズ 灰色に剃りあげられた顔にはがっしりとした鼻とどっしりとしたあごがついていたが、陽の光を浴びて、まるでたった今、濡れた粘土から造られたばかりのようだった。太陽に軽やかな秋の雲がかかると、教授の顔はとたんに石のような暗く乾いたものになった。 総コメント数:1 投稿日時:2019-04-12 10:34:57 |
|
P.122 の気になるフレーズ 君に対する僕の愛とは、うち震え湧きあがる涙のぬくもりだった。ぼくの考える天国は、まさにこんなものだった。沈黙と、涙と、君の膝の暖かい絹と。それを理解することが君にはできなかった。 総コメント数:1 投稿日時:2019-04-12 16:54:41 |
|
P.144 の気になるフレーズ 試合中の動きは、落ち着いて書かれた筆跡と同じように、その人物の人となりを少なからず表すものである。大佐のにぶくこわばったような打ち方や、脂ぎった顔──唇の上にうずたかく生えた灰色の重々しい口ひげを、まるでたった今、口からぺっとはきだしたような──その顔に浮かんだ緊張の面持ち。それに、炎天下どもシャツの襟のボタンをゆるめもしないこと、白い柱のように開いた足をしっかりとふんばったサーブの仕方。 総コメント数:1 投稿日時:2019-04-13 18:00:23 |
|
P.145 の気になるフレーズ マゴアは年老いた絵画の目利きで、自分よりもっと古ぼけた絵の修復や額の付け替え、カンバスの張り替えを手がけており、世界というのはいずれ朽ち果てるカンバスにぱっとしない絵の具で描かれたかなり下手くそな習作にすぎない、という考えの持ち主だった。 総コメント数:1 投稿日時:2019-04-13 18:05:10 |
|
P.183 の気になるフレーズ 彼の姿全体には、どことなく、やさしく聡明だけれど不快なところがあった。 総コメント数:1 投稿日時:2019-04-13 18:14:26 |
|
P.185 の気になるフレーズ バッハマンはまるで敵から逃げてくるか、退屈な手合いから逃げてくるかのようにして、急ぎ足で舞台に登場した。そして、聴衆を無視してピアノに近寄ると、スツールにかがみ込み、木製の丸い座席をやさしく回して、正確な高さに調整しはじめる。そのあいだじゅう、彼は三か国語で、スツールに、そっと熱を込めてささやきかける。彼はかなりの時間をかけてこのたわいない作業に没頭した。イギリス人の聴衆は感銘を受け、フランス人の聴衆には気晴らしとなったが、ドイツ人の聴衆はいらだった。 総コメント数:1 投稿日時:2019-04-13 18:26:19 |
|
P.226 の気になるフレーズ 彼はいまや、ちょうど南国の浜辺で、妻が最後の夕べの散策のおりにたまたま彼に見せた、細くて白い縞のまっすぐにはいった、あの丸くて黒い独特の小石をもう一度見つけようとしたのと同じように、彼女の感嘆符の思い出が残る道端のあらゆる事物を捜し出そうと懸命だった。 総コメント数:1 投稿日時:2019-04-17 10:09:05 |
|
P.430 の気になるフレーズ 「落ち着け」イツキイはグラフに対してヒステリックに叙唱して、咳払いをしてから、閉めてある窓の方に歩いていった。 総コメント数:3 投稿日時:2019-04-22 13:45:09 |